YouTubeカードの使い方と設定方法|動画途中で視聴者を誘導するコツ
YouTubeカードは動画の途中で他の動画やリストにリンクできる機能です。口頭CTAと組み合わせるとCTR3〜7%を達成できます。
YouTubeカードは動画の途中に表示できるインタラクティブな通知です。右上に小さな「i」アイコンとして現れ、クリックすると別の動画・再生リスト・チャンネル・外部サイトへのリンクが展開されます。終了画面は動画の最後5〜20秒にしか配置できませんが、カードは動画内の好きなタイミングに配置できるため、文脈に合わせた誘導が可能です。
口頭で関連コンテンツに触れたタイミングにカードを置くと、CTR 3〜7%に達します。ただし、文脈なしにランダムに配置すると95%以上の視聴者に無視されます。
カードの種類
| カードの種類 | リンク先 | 使いどき |
|---|---|---|
| 動画カード | 自チャンネルの動画 | 動画中に関連コンテンツに触れたとき |
| 再生リストカード | 自チャンネルの再生リスト | トピックシリーズを紹介するとき |
| チャンネルカード | 別のYouTubeチャンネル | コラボ相手やおすすめチャンネル紹介 |
| リンクカード | 外部サイト(承認済み) | グッズ、Patreon、公式サイト |
最も多く使われるのは動画カード(全体の80%以上)。視聴者をYouTube内に留めるためCTRが最も高くなります。
再生リストカードはセッション時間で最強です。再生リストに飛ぶと自動再生が始まり、1クリックを超えた連続視聴が発生します。再生リスト戦略の詳細は再生リストガイドを参照してください。
カードの設定手順
- YouTube Studio → コンテンツ → 動画を選択
- 左メニューのエディタをクリック
- カードをクリック
- 目的のタイムスタンプで**+カード**を選択
- カードの種類とリンク先(動画/再生リスト/チャンネル/リンク)を選ぶ
- ティーザーテキスト(30文字以内)とカスタムメッセージ(110文字以内)を入力
- 保存
ティーザーテキストはカードが縮む前に一瞬表示されるテキストです。「関連動画」より「CTRが2倍になる方法」のようにベネフィットを書くとクリック率が上がります。
タイミングが命:口頭CTAとの連携
カードを置くべきタイミング
| タイミング | CTR目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 口頭で触れた瞬間 | 5〜7% | 視聴者が言葉を聞きながらカードを目にする |
| 口頭から2〜3秒後 | 3〜5% | 少し遅れるが文脈はまだつながっている |
| 文脈なしのランダム配置 | 0.5〜1% | なぜカードが出たかわからない |
| 低エンゲージメント区間 | 0.5〜2% | 退屈しのぎのクリック=ネガティブシグナル |
口頭CTAがCTRを3〜5倍にする
口頭の誘導なしに「i」アイコンだけではほぼ無視されます。「今右上にカードが出ています」と一言添えるだけでCTRが大きく変わります。
効果的なCTAパターン:
| パターン | 例 | 効果 |
|---|---|---|
| 返報性 | 「この方法が役に立ったなら、次の動画はもっと役立ちます — 右上のカードからどうぞ」 | 価値を受け取った視聴者は返報したくなる |
| 好奇心ギャップ | 「ここでは触れなかった裏技があります — カードから観てください」 | 前方への緊張感 |
| 具体的な次のステップ | 「サムネイルの作り方は右上のカードから」 | 具体的な行動指示はCVが高い |
| 脱線フォロー | 「SEOはこの動画では触れませんが、完全ガイドをリンクしました」 | 自然な好奇心に応える |
重要: 1回のカード表示につき誘導は1つだけ。「動画を観て、登録して、コメントして」と同時に言うと選択肢過多でどれも行動しません。
動画の長さ別のカード枚数
| 動画の長さ | 推奨枚数 | 間隔 |
|---|---|---|
| 5分未満 | 1枚 | 最も関連性の高い1か所 |
| 5〜10分 | 1〜2枚 | 3分以上空ける |
| 10〜20分 | 2〜3枚 | 4分以上空ける |
| 20分以上 | 3〜5枚 | 5分以上空ける |
5枚を超えると「iアイコン」に慣れてクリックしなくなります。
セッション視聴時間への影響
アルゴリズムとの関係
YouTubeは「セッション時間」— 視聴者がYouTubeに滞在し続けた合計時間 — を重視しています。カードをクリックして別の動画を観ると、チャンネル内セッションが発生し、元の動画と移動先の動画の両方にポジティブなシグナルとして帰属されます。
カードは終了画面と並んで、クリエイターがセッション時間を直接コントロールできる唯一のネイティブツールです。アルゴリズムの仕組みはアルゴリズム解説ガイドを参照してください。
カードと終了画面の使い分け
| カード | 終了画面 | |
|---|---|---|
| 配置タイミング | 動画内のどこでも | 最後5〜20秒のみ |
| CTR | 3〜7%(口頭CTA込み) | 8〜15%(専用アウトロ込み) |
| セッションへの影響 | 動画途中の離脱=現在の動画の視聴時間は下がる | 動画完了後の移動=視聴時間損失なし |
| 適した用途 | 文脈に合った関連コンテンツの紹介 | 次の動画への誘導 |
| 視聴の中断 | あり(途中で離脱) | なし(コンテンツ終了後) |
つまり: カードは文脈に合った「横の誘導」、終了画面は動画後の「次の誘導」。両方を使い分けるのが最適です。終了画面の設計は終了画面ガイドで解説しています。
カードのアナリティクス
確認方法
YouTube Studio → アナリティクス → 動画別 → エンゲージメント → 上位のカード
| 指標 | 意味 | 用途 |
|---|---|---|
| カードの表示回数 | カードが表示された回数 | トラッキング用 |
| カードのクリック数 | 展開されたカードのクリック | 成果測定 |
| カードのクリック率 | クリック÷表示×100 | 主要KPI |
| ティーザーの表示回数 | ティーザーテキストが表示された回数 | ティーザーのリーチ |
| ティーザーのクリック率 | ティーザークリック÷表示 | ティーザーコピーの効果 |
データの読み方と対処
| 症状 | 診断 | 対策 |
|---|---|---|
| ティーザーCTR低い+カードCTR低い | タイミングか口頭CTAが弱い | 口頭で触れるタイミングにカードを移動 |
| ティーザーCTR低い+カードCTR普通 | ティーザーの文言が弱い | ベネフィット型テキストに書き直す |
| ティーザーCTR普通+カードCTR低い | リンク先動画が適切でない | より関連性の高い動画に変更 |
| カードCTR高い+移動先の視聴時間短い | 移動先の動画が期待と合っていない | 再生リストにリンクして選択肢を増やす |
アナリティクスの基礎は初心者向けアナリティクスガイドを参照してください。
モバイルとデスクトップの違い
YouTubeの視聴の63%以上はモバイルです。カードの挙動はデバイスで異なります。
- デスクトップ: ティーザーが右上に数秒表示された後「i」アイコンに縮む。ホバーで再表示、クリックで展開
- モバイル: 視聴者がティーザーかアイコンをタップすると動画プレイヤーの下にカードが表示される
モバイルは意図的なタップが必要なため、CTRはデスクトップより低くなります。口頭CTA がさらに重要になる理由はここにあります。
モバイル視聴が多いチャンネルの対策:
- 再生リストカードを優先(タップしなくても自動再生される)
- 口頭CTAを具体的に(「右上のカードをタップしてください」)
- 次の動画への主要誘導は終了画面に任せる(モバイルでもサイズが大きく目立つ)
カードが使えない場面
ショートでは表示されない
カードはショートフィードで表示されません。Studio上で付けることは可能ですが、視聴者には見えません。
ショートから長尺への誘導方法:
- 口頭で言及: 「フルバージョンはチャンネルにあります」— 最も効果的
- 固定コメント: URLを記載(ショートのコメント欄ではリンクはクリックできない)
- チャンネルページ: プロフィールタップでアクセス可能
ショートのアルゴリズムはショートアルゴリズム解説を参照してください。
ライブ配信中は追加できない
配信中にカードを追加する機能はありません。配信終了後のアーカイブ(VOD)に対して、YouTube Studioのエディタから追加できます。
アーカイブを整理(不要な冒頭や空白時間をカット)してからカードを追加するのがベストです。ライブ配信の戦略はライブ配信アルゴリズムガイドを参照してください。
カードの効果的な配置戦略
視聴維持率の下降ポイント前
YouTube Studio → アナリティクス → エンゲージメント → 視聴者維持率で、視聴者が離脱するポイントを確認します。主要な下降ポイントの5〜10秒前にカードを配置すれば、離脱するはずだった視聴者を自分の別動画に送れます。
視聴維持率の分析方法は視聴維持率ガイドを参照してください。
重要なポイントを伝えた直後
セクションの結論や核心を伝えた直後は、視聴者の満足度が最も高い瞬間です。このタイミングで「次の動画ではさらに深掘りしています」とカードを見せると、満足した視聴者がそのまま行動に移りやすくなります。
脱線で別トピックに触れたとき
「SEOについてはこの動画では触れませんが、完全ガイドをカードにリンクしました」— これが最も自然なカード配置です。視聴者の好奇心を直接満たします。
よくある間違い
1. 冒頭30秒にカードを入れる
視聴者がコンテンツに没入する前にカードを出すと、現在の動画の視聴維持率を下げるだけで意味あるセッション効果は得られません。最低でも2分以降に配置しましょう。
2. 口頭の誘導がない
無言で「i」アイコンが出ても95%以上が無視します。必ず口頭で触れてください。
3. 無関係なコンテンツへのリンク
現在のトピックと関係ない動画へのリンクは広告のように感じられます。クリックした視聴者が「違う」と思えば信頼を失います。
4. カードで視聴維持の問題をごまかす
維持率が下がるたびにカードを置いて「救済」するのは、コンテンツの問題をカードで隠すだけです。まずは離脱の原因となるコンテンツ自体を改善しましょう。